2014年03月11日

2月マネー統計~マネーの伸びが鈍化

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

・貸出動向: 追い風が追加される
・マネタリーベース: 引き続き堅調な増勢続く
・マネーストック: マネーの伸びが鈍化

■要旨

2月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.4%(前月は2.5%)となった。貸出の伸び率縮小は2ヵ月連続となる。前年比での円安一服に伴って外貨建て融資の円建てでの伸び率が鈍化したことの影響もあった模様。今後もこの特殊要因が貸出伸び率の抑制要因になると考えられるが、中小企業への広がりなどから全体としては底堅い推移が予想される。2月に決定された日銀の貸出支援制度拡充については、需要側である企業の資金余剰や慎重さが残る設備投資スタンスという課題もあるため、どこまで銀行貸出を押し上げる効果があるかは不透明だが、銀行貸出にとって追い風になることは間違いない。

2月のマネタリーベース平残は201.3兆円と12ヵ月連続で過去最高を更新した。前年比伸び率も55.7%(前月は51.9%)と前月から拡大している。一方、末残ベースのマネタリーベースは2月末で204.8兆円に留まり、前月末比の増加額も3.9兆円と1月(▲1.0兆円)以降の増加ペースに明らかな鈍化傾向がみられる。ただし、平残前年比では拡大傾向にあるうえ、季節調整済み系列(平残)も2ヵ月連続で9兆円台の増加幅を確保していることから、引き続き堅調な増勢が続いていると言えるだろう。

マネーストック統計によると、2月のM2平均残高の伸び率は前年比4.0%、M3は同3.2%とそれぞれ2ヵ月ぶりに縮小。広義流動性の伸び率4.0%と2ヵ月連続で縮小した。預金通貨の伸び率縮小が主因だが、リスク性資産へのシフトがその原因という構図ではない。

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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