2014年03月05日

企業年金の維持にも不可欠な成長戦略

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2012年秋口以降の円安・株高により企業を取り巻く経営環境は改善してきた。こうした変化を反映し、2014年3月期は良好な決算となりそうだ。経常増益率は前期を大きく上回り、売上高の高い伸びも見込まれている。利益創出をコスト削減に求めてきた過去とは異なり、デフレ脱却を期待させる内容と言ってもよい。

しかし、来期以降に関しては、必ずしも楽観できる状況には至っていない。消費増税による影響や新興国経済の先行きなど、目先の不透明感もさることながら、デフレに対する警戒感が根強いことが背景にある。政府からの異例とも言える賃上げ要請にも関わらず、固定費増に結び付き、長年に亘り企業業績を圧迫するベースアップに、多くの企業が慎重な姿勢を崩していないのは、その表れとも捉えられる。

さて企業年金は、公的年金の先行きに対する不安から退職後の所得保障としての重要性が高まっているが、それとは裏腹に採用企業の減少が懸念される。企業年金の裾野の広がりを維持し、所得保障として幅広く機能させ続けるためには、企業経営における警戒を解きほぐすことが必要だ。その意味でも、経営コスト引き下げ策や技術革新に資する政策など、経営環境の持続的な改善を予期させる成長戦略の加速が求められる。

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