2014年02月28日

中国経済見通し~理財商品に揺れる中国経済の行方

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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  1. 2013年の経済成長率は前年比7.7%増と成長目標(7.5%前後)を上回った。需要別の寄与度は、総資本形成(投資)が4.2ポイント、最終消費が3.9ポイント、純輸出が▲0.3ポイントとなった。これで2年連続の8%割れとなったが、今のところ雇用不安は生じていない。
  2. 今後(2014-15年)は、輸出は欧米経済の回復を背景に2013年の伸び(7.9%)をやや上回り純輸出がプラス寄与へ、消費は良好な雇用環境と所得向上を背景に2013年の伸び(13.1%)と同程度の安定した伸びを維持、投資は消費サービス関連が好調ながらも約3割を占める製造業や約5割のインフラ・不動産関連の鈍化で2013年の伸び(19.6%)を下回ると予想する。
  3. 2013年の消費者物価上昇率は前年比2.6%上昇と抑制目標(3.5%前後)を下回った。今後は価格改革により物価上昇圧力が掛かりそうだが、潜在成長率並みで景気に過熱感がない中ではインフレも適度な上昇に留まるだろう。一方、住宅価格は前月比の上昇ピッチが年率換算で約4.9%上昇と、一人あたり可処分所得の伸びを下回ってきており、温州市(浙江省)では再び下落が加速するなど下値不安もあることから、今後は上昇よりも下落に注意が必要な局面になる。
  4. 昨年を振り返ると、新たな成長基盤を作る(ビルド)政策と高成長の歪みを正して経済の健全化を進める(スクラップ化)政策を交互に推進し、成長目標は達成したものの経済のディレバレッジは十分に進まなかった。今年も昨年と同じような経済政策運営となりそうだが、今年は昨年よりも経済のディレバレッジに軸足を置いた運営になる可能性があると思われる。
  5. 経済見通しは、2014年が前年比7.5%増、2015年が同7.3%増(下左図)。リスクとしては理財商品の問題続出が挙げられる。メインシナリオでは景気失速には至らないと想定しているが、理財商品にどれだけ不健全なものが含まれているのかは依然不透明なだけに、今後も理財商品を巡る動きから目が離せない状況が続いてしまいそうである(下右図)。



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経済研究部   上席研究員

三尾 幸吉郎 (みお こうきちろう)

研究・専門分野
中国経済

(2014年02月28日「Weekly エコノミスト・レター」)

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