2014年02月25日

アジアの先進生保市場:NIEs-各市場の概況とその特徴点について-

保険研究部 兼 経済研究部 主席研究員 アジア部長 General Manager for Asia   平賀 富一

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■要旨


アジアNIEs(シンガポール・香港・台湾・韓国:新興工業経済地域Newly Industrializing Economies)は生命保険の分野においてもアジア域内の先進保険市場となっており、本レポートではその概況や特徴点などについて述べた。

NIEsにおける生命保険の普及度は、4カ国・地域の平均で、収入保険料の対国内総生産(名目GDP)比が平均10.1%と日本の9.2%を超え、また一人当たり収入保険料も平均2,570ドル、特に香港は4,038ドルと日本の4,137ドルに近い水準にあり相当成熟した保険市場となっている。生保の収入保険料規模でも、韓国7位、台湾9位、香港18位、シンガポール27位と経済規模に比して上位にランクされている。また4市場では、今後も中期的に堅調な保険料収入の伸びが予想されている。その理由としては、第一に、さらなる経済発展による富裕層・中間層の増加や生活水準の高度化による保障金額の増と保障内容の充実が挙げられる。二番目は、少子高齢化の影響である。NIEsはわが国に準じて少子高齢化の傾向が顕在化しつつあり、さらに女性の社会進出や核家族化も進んでいる。そのような環境下で保障の充実や年金等による退職準備や老後の医療保障への準備の必要性が高まるものと考えられる。加えて、元々子供の教育に熱心なNIEsの国・地域において少子化が進行する中では、教育資金の準備を目的とする保険商品への需要も大きいと考えられる。また、外資系生保企業の存在感が大きいシンガポール・香港と地場生保企業の存在感が大きい台湾・韓国という見方もできよう。

シンガポール・香港は国際的な金融市場、多くの国際的企業のアジア地域統括拠点の所在地など優れたビジネスインフラで高い評価を受け、台湾・韓国は世界的な電気・電子産業の重要拠点としての位置づけを有しており、日本にとっても、産業や生活の様々な面におけるIT技術の活用のあり方など参考にすべき点が多い。もちろん、少子高齢化対応も日本・NIEsに共通の課題である。さらに、シンガポール・香港の生保市場は欧米の有力保険会社が様々な保険商品や販売手法を持ち込み競合しており、いわば「ショーケース」ともいえる状況にもある。このようなNIEs各市場の動向は、アジア最大の生保市場であるわが国としても注目に値するものと考えられる。



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保険研究部   兼 経済研究部 主席研究員 アジア部長 General Manager for Asia

平賀 富一 (ひらが とみかず)

研究・専門分野
国際経営・国際経済(アジア地域を主とする)・国際人的資源管理

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