2014年01月10日

金融市場の動き(1月号)~ドル円相場を改めて整理

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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  1. (為替) 最近の為替相場は日米金利差だけで為替を理解・説明することが難しくなっている。昨年のドル円レートを被説明変数とし、長期金利差を説明変数とする単回帰分析を行うと、1%金利差が拡大すると5.4円の円安ドル高が進むという関係性が示唆されるが、これによって導かれたドル円理論値と実績にはかなりの乖離(差)が存在。市場のリスクオン・オフが影響している可能性がうかがわれる。そこでこの乖離を被説明変数とし、日経平均株価を説明変数とする回帰分析を行うと、十分とは言い難いが乖離についてもある程度は説明が可能となり、1000円株価が上昇すると追加的に1.4円の円安ドル高になるという関係性が示された。今後の展開を考えるうえでも金利差と株価の2軸で捉えるとわかりやすい。今年は金利差拡大と株価上昇が起きる可能性が高く、この2つのエンジンを通じた円安ドル高が進むという筋書きがメインシナリオとなる。そしてこれをベースに追加のエッセンスとして、貿易収支やデフレ脱却期待などの変数を捉えると整理しやすい。筆者の予想では、今年は円安ドル高基調となるが、消費増税後の国内景気悪化でデフレ脱却期待が後退する4-6月には一旦円高に振れると見ている。
  2. (日米欧金融政策) 12月の金融政策は日欧ではともに現行の政策が維持されたが、FRBが量的緩和縮小を決定した。米が金融政策の正常化へ最初の一歩を踏み出したことで、今後は、FRBによる緩和縮小ペースの調整と市場との対話力に焦点が移る。
  3. (金融市場の動き) 12月はリスクオン地合いの中で円安ドル高が進行、ユーロドル、長期金利が上昇した。この動きがリスク回避で逆回転を始めるという特段の要素は見当たらないが、日米株価の調整がそのきっかけとなる可能性はいつでも有り得る。


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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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