2013年12月24日

ドイツ生保の低金利環境への対応について

  荻原 邦男

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欧米主要国では金利の低下が続いており、生保・年金制度への影響が懸念されている。

当レポートでは、ドイツの状況とそれに対する生保会社の対応について紹介する。

(1)ドイツでは、保険契約法によって、有価証券の評価差額の50%を配当として還元することが定められており、消滅契約に対して、最近の金利低下によって生じた債券の評価差額(益)を還元せざるを得ない状況に置かれている。
しかし、こうした一時的な果実を、一部の契約者に還元することは適当でなく、将来の予定利率水準の確保に配慮した内部留保を優先することが必要であるとして、行政は法改正を試行した。しかし、本年2月の議会で議決を得ることができず、今後、法改正に再度トライすることが予定されている。

(2)これと相前後するが、監督当局は、2011年に、支払能力確保を目的とした責任準備金命令の改正を行い、予定利率が10年国債の金利に基づいて算出した所定の金利より高い契約について、追加責任準備金の積立を求めることとした。これに基づき、追加責任準備金の積立が開始されている。

(3)また、2016年1月から実施が予定されるソルベンシーIIに関して、ドイツは、既契約に適用する評価利率を、現行水準から20年かけて徐々に新方式の評価利率に移行する、いわゆる経過措置の運用を求めている。これは、この低金利下で責任準備金の積立を一挙に求められることを回避する激変緩和措置といえるだろう。

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(2013年12月24日「保険・年金フォーカス」)

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