2013年12月16日

波乱含みの展開を予想 ~マーケット・カルテ1月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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12月入り後のドル円相場は、堅調な米経済指標や財政協議の合意(政府閉鎖回避)を受けた米緩和縮小観測の高まりと日銀の追加緩和観測の高まりによって円安基調をやや強め、中旬には一時ドル円が年初来高値を更新した。そして、今後は米金融政策が正念場を迎える。

米緩和縮小開始はいつ有ってもおかしくないが、逆に低インフレ下で特に急ぐ必要もないとみられ、不透明感が強い(筆者は年内は見送りを予想)。さらに緩和縮小の為替市場への影響も読みにくい。縮小に伴う日米金利差拡大が重視されれば円安となるが、一時的に株安となる可能性が高いだけに、リスクオフの円高圧力も高まりやすい。また2月の米債務上限期限もリスクイベントだ。今後3ヵ月は波乱含みの展開となりやすく、ドルの上値はまだ重いと見る。大幅な円高進行の懸念は少ないが、米緩和縮小が開始されて、その影響が限定的であることが確認されるまでは、円高のゆり戻しに警戒が必要だろう。

ユーロの対ドル相場は最近上昇基調を強めている。貿易黒字増加やECBの資産縮小、インフレ率低迷などがユーロ高の正当化材料になっている。ただし、現状は割高感が漂ううえ、ECBは追加緩和を匂わせており、今後は下落に転じると予想。対円でも弱含みと見ている。

本邦長期金利は米金利上昇を受けてやや上昇ぎみだが0.6%台での推移が続いている。日銀の国債買入れによる需給安心感は強く、当面金利上昇イメージが描きにくい。3ヵ月後も現状と大差なしと予想。

(執筆時点:2013/12/16)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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