2013年12月06日

12月ECB政策理事会:インフレ見通しを下方修正、日本型デフレのリスクは否定

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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欧州中央銀行(ECB)が5日に12月の政策理事会を開催、大方の予想通り、現状維持を決めた。

同日発表の経済見通しでは、緩やかな景気回復の持続という見方は維持、インフレ見通しは下方修正され、15年までECBが安定的とみなす水準(2%以下でその近辺)を下回る予測が示された。

ドラギ総裁は、日本型のデフレのリスクは否定、追加緩和の選択肢の1つとされるマイナスの預金金利について「簡単に」議論したことを認めたが、量的緩和に関する質問には答えず、長期資金供給については、経済活動に結びつける難しさを強調した。為替相場は目標にしないが、中期的な物価の安定に与える影響は注視するとした。

今回の会見からは、警戒を緩めない姿勢は感じられたが、近い将来の行動を予見させるような緊迫感はなかった。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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