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- 中国経済見通し~7%台で一進一退へ、リスクは長期金利の上昇
- 2013年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比7.8%増と3四半期ぶりに前四半期の伸び(同7.5%)を上回った。また、1-9月期では前年同期比7.7%増と昨年の伸びに並び、需要別に見ると最終消費3.5ポイント、総資本形成4.3ポイント、純輸出▲0.1ポイントとなった。
- その後10月の景気指標を見ると、輸出は前年同月比5.6%増と7-9月期の前年同期比3.9%増を上回った。内需では、小売売上高が前年同月比13.3%増と7-9月期と同程度の伸びを維持、固定資産投資は当研究所の推定では前年同月比19.2%増と7-9月期の前年同期比20.4%増を下回っている。このように輸出は上向いてきたものの内需はやや伸び悩んでいる。
- 消費者物価は、10月に前年同月比3.2%上昇と、今年の抑制目標である3.5%前後は下回ったものの預金基準金利(1年定期)の3%を上回ってきた。また、住宅価格は年率換算で7.6%上昇とピッチはやや鈍ってきたものの、一人あたり可処分所得の伸びに比べるとまだ速過ぎる。
- 金融市場では長期金利が上昇してきた(右下図)。景気の回復やインフレ懸念の高まりが主因だが、不安定な短期金利の影響もある。政策当局と市場の対話不足が短期金利の変動性を高めており、長期金利の急騰は経済の健全化を進める上での障害となりかねないだけに、政策当局は短期金利の誘導目標や今後の見通しを市場に開示する必要があると思われる。
- 今年度の政策運営を振り返ると、新たな成長基盤を作る(ビルド)政策と高成長の歪みを正して経済の健全化を進める(スクラップ化)政策が交互に推進されてきた。7-9月期の成長率が高めになったことを受けて、今後は経済の健全化を進める政策に重点が移ると予想している。また、来年(2014年)には成長目標を引き下げる可能性がある。
- 経済見通しは2013年が前年比7.7%増、2014年が同7.5%増、2015年が同7.3%増(左下図)。
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三尾 幸吉郎
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(2013年11月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
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