2013年11月19日

円安にはまだ限界あり ~マーケット・カルテ12月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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11月上旬に98円台で推移していたドル円相場は、米雇用統計の意外な好結果と、イエレン次期FRB議長候補の議会証言を受けた米量的緩和長期化観測によって一時100円の壁を突破した。米緩和長期化観測によって市場がリスクオン(選好)地合いとなり、リスク回避通貨筆頭である円が売られたためだ。しかし、同観測は米金利低下を通じて日米金利差を縮小させるという点では同時に円高圧力となる。従って、現状の「金利差拡大なきリスクオン」では円安にも限界がある。

米金利が再び本格的な上昇に向かうためには量的緩和縮小観測の高まりが必要となるが、FRBが雇用情勢に自信を持つにはまだ時間がかかるとみられる。さらに来年初には再び米景気回復を阻害しかねない債務上限問題も控えている。従って、今後3ヵ月間では、縮小観測がさほど強まらず、ドル円はボックス圏内の動きに留まると予想。

ユーロの対ドル相場は10月下旬以降のECB利下げ観測とその後の決定を受けて急落した。もともと消去法的な上昇であったため意外感はない。まだ割高感が残る中、ECBは追加緩和を匂わせており、今後もさらに下落すると予想。対円でもユーロは多少弱含むと見ている。

本邦長期金利は0.6%台で低迷が続いている。今後も日銀の国債買入れによって抑制されるものの、さすがに現在の水準は投資妙味がなく、中長期的には正当化されないだろう。国内の景気回復期待も根強いため、3ヵ月後には若干上昇していると予想する。

(執筆時点:2013/11/19)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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