2013年11月15日

一人勝ちのドイツ-強さの秘密、勝者の悩み

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

文字サイズ

  1. 一人勝ちの様相を呈するドイツも、ユーロ導入から2000年代半ばまでは、今とは逆に単一通貨圏内で最もパフォーマンスが悪く、「欧州の病人」という異名をとっていた。
  2. ドイツ経済が強さを取り戻したのはユーロ導入の効果が大きいと考えられているが、「ハルツ改革」と称する労働市場と税・社会保障制度との一体改革も転機となった。
  3. ハルツ改革の狙いは、働くインセンティブを高め、労働需要を喚起し、ミスマッチの解消を図ることにあった。
  4. 改革は、雇用の創出、構造的失業の削減、労働市場の柔軟性の高まりと言う成果を挙げたが、所得格差と不安定就業や低賃金労働の拡大という弊害も伴った。
  5. 来るべき第三次メルケル政権には、ユーロ圏内では成長と雇用の格差是正とともに、国内における格差の是正への要請が強まっている。競争力の維持と格差是正を両立できるのか、今後の展開が注目される。

43_ext_01_0.jpg

経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

(2013年11月15日「Weekly エコノミスト・レター」)

レポート

アクセスランキング

【一人勝ちのドイツ-強さの秘密、勝者の悩み】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

一人勝ちのドイツ-強さの秘密、勝者の悩みのレポート Topへ