2013年11月08日

今回の物価上昇はこれまでと違うのか

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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  1. 消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)上昇率が0%台後半で推移し、米国型のコアCPIも2013年10月には5年ぶりのプラスとなることが見込まれるなど、ここにきてデフレ脱却の機運は着実に高まっている。
  2. しかし、約15年にわたってデフレが続く中でも一時的に消費者物価が上昇する局面は何度かあった。今回の物価上昇はこれまでと違うのだろうか。
  3. 今回の物価上昇がこれまでと大きく異なるのは、需給ギャップがマイナス圏にある中でコアCPIが上昇に転じたことである。このことは家計、企業などの予想物価上昇率が高まっている可能性を示唆するが、現時点でそのような判断をするのは早計だ。
  4. コアCPIが需給ギャップ対比でこれまでよりも高い伸びとなっているのは、円安により輸入物価が幅広い品目で上昇している影響が大きい。輸入物価の上昇品目数は9割を超えており、このことが消費者物価上昇の裾野の広がりにもつながっている。輸入物価の上昇を主因とした国内物価の上昇という従来と同じパターンの消費者物価上昇と捉えることができる。
  5. 先行きについては、円安効果の一巡などから輸入物価の伸びが低下し、消費税率引き上げに伴い需給バランスの改善が足踏みとなることが見込まれる。消費者物価の上昇ペースは2014年度に入ってからいったん鈍化する可能性が高いだろう。



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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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