2013年11月07日

福祉用具から介護ロボット、住宅機器まで多彩な機器群が新たに登場 - 第40回「国際福祉機器展(H.C.R.2013)」から -

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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■要旨

9月18日から20日まで、東京国際展示場(ビッグ・サイト)で「国際福祉機器展」が開催された。この展示会はアジアで開催される福祉機器の展示会では最大規模である。本レポートでは、今回、第40回目を迎えた「国際福祉機器展」の開催状況を振り返り、その後、今後、超高齢社会の進行に伴って日常の生活必需品となっていくと考えられるこれらの最新の福祉用具・機器類の中から、3機種を紹介したい。

「国際福祉機器展」の第1回開催は、1974年で、展示会名は「社会福祉施設の近代化機器展」であった。開催の背景には、1970年に高齢化率が7%を超えたことをきっかけに国が策定した「社会福祉施設緊急整備5か年計画」に基づき、その後急増した老人福祉施設において、介護に従事する施設職員の中で腰痛に悩む人が急増するという問題が生じたことがある。なお、現在も介護職の「腰痛」の問題は喫緊の解決課題であり、設備の近代化、業務の省力化による就労環境の改善と入所者への安全な介護の提供のために、様々な福祉機器等の普及が求められている。2013年9月の開催においては、来場者は12万人を突破し大変盛況であった。

来場者の属性では、「一般」が32%で最も多く、次いで「福祉施設」16%、「販売業」が14%、「在宅サービス」11%と続いている。出展社数・団体は第1回の約9倍となり、16カ国・1地域の585企業・団体が約2万点の様々な機器を展示した。一般人にとっては、多数の機器に触れたり、説明を聞け、直に機器に触れることが出来き、出展企業はエンド・ユーザーの意見を直接聞くことができる、大変貴重な展示会である。

今年の展示会では、既存の福祉用具・機器が、毎年、着実に進化を遂げ、さらに今までには無かった価値を提供する新たな機器群も登場を始めていることを強く実感した。

新たな機器群として紹介する3機種、「ベッドサイド水洗トイレ(TOTO株式会社)」、「フルリクライニング車いす付ベッド リショーネ(パナソニック株式会社)」、「電動歩行アシストカー・キーパス(株式会社幸和製作所と株式会社村田製作所の共同開発)」は、今までにない機能を備え、被介護者や利用者に利便性を提供するだけでなく、その介助・介護に当たる家族や介護者の心身への負担を大きく改善する価値を有しており、今後の動向が注目される。

利用者や介助・介護者が福祉用具・機器に期待することは「新たな価値の獲得」であり、それを実現するためには用具・機器が「安全性・信頼性」「高いユーザービリティ」などを供え、かつ「高い経済性」の要件を満たしていなければならない。企業は開発にあたって、エンド・ユーザーの意見に耳を傾け、機器開発に反映させることが必要不可欠となっている。今後の既存製品のさらなる進化と、従来は困難であった事を可能とする等の高い価値を提供する新たな機器群が続々と登場することを大いに期待したい。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

(2013年11月07日「基礎研レポート」)

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