2013年09月19日

資金循環統計(13年4-6月期)~個人金融資産は前年比76兆円増の1590兆円

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・個人金融資産(13年6月末): 前期比では22兆円増
・資金流出入の詳細:リスク性資産の積み増しは限定的
・部門別資金過不足等:日銀の国債保有シェアが急上昇

■introduction

2013年6月末の個人金融資産残高は、前年比76兆円(5.0%)増の1590兆円となった。この残高は07年6月以来6年ぶりの高水準となる。四半期ベースでは、前期(13年1-3月)末比で22兆円の増加となった。例年4-6月期は一般的な賞与支給月を含むことから、今回も15兆円の流入超過となったうえ、円安・株高の進行により、時価が全体で7兆円増加したことが寄与した。

個人金融資産への資金流出入について詳細を見ると、現預金への資金流出が前年を上回り、投資信託への資金流入も6年ぶりの高水準を記録したが、株式・出資金からの流出額が現行統計で遡れる98年以来の最高水準に達した。5月下旬以降、金融市場の動きが不安定化したことが投資マインドに抑制的に働いた可能性がある。

国債の残高については、969兆円と過去最高であった3月末からほぼ横ばいとなった。このうち中央銀行(すなわち日銀)の保有は異次元緩和による国債買入れ増額によって急増、保有高は150兆円、全体に占めるシェアは15.4%に達している。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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