2013年09月17日

サプライチェーンのCSRリスクに疎い日本企業 (その1)-“日本型CSR”に潜むリスク促進要因

  川村 雅彦

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目次


はじめに
〔海外の現地法人とサプライチェーンにおけるCSRリスクの増大〕
〔海外では通用しない“日本型CSR”の限界〕
1――長く複雑になるサプライチェーン
  1│ 海外現地法人の増大
  2│ 製造業現地法人の生産と調達の変化
  3│ 海外サプライチェーンの多様化・複雑化
2――進化するサプライチェーンのCSRリスク
  1│ サプライチェーン・マネジメントの論点の変遷
  2│ サプライチェーンの新たなCSRリスク(ソニーショックとアップルショック)
  3│ 高まるサプライチェーンの責任とCSRリスク
3――日本型CSR”がリスク促進要因に
  1│  “日本型CSR”と世界のCSRの違い
  2│ 「加担」に対する認識の重要性
4――CSRリスク回避のための「CSR監査」
  1│「CSR調達基準」の策定
  2│「CSR監査」の必要性
  3│「CSR監査」の要点



■要約

〔海外の現地法人とサプライチェーンにおけるCSRリスクの増大〕

  • 近年のグローバル化の中で、現地法人の形で日本企業の海外進出(特にアジア)が続いている。しかし、進出先でのCSRリスクに対して無防備で海外に出て行くので、現地で環境や労働にかかわる問題をNPOなどから突然指弾されて、トラブルを抱え込むケースが増えている。
  • 資材調達においても同様である。契約関係にない2次・3次の海外調達先で環境・労務問題が起きると、遡って発注元である企業の責任が厳しく問われる。これを「サプライチェーンのCSRリスク」と呼ぶ。近年、国内外の有名な大企業がこの問題に遭遇している。

〔海外では通用しない“日本型CSR”の限界〕

  • 海外のCSRは“日本型CSR”とは大きく異なる。これを認識したうえで、進出先や調達先の社会事情や価値観を調べて対処していれば、問題を未然に防げたはずなのに、それを行っていない。日本企業には途上国や新興国での「サプライチェーンのCSRリスク」に対する問題意識が薄い。
  • 本稿では、日本企業の海外現地法人の増加状況とサプライチェーンの多様化・複雑化を概観し、サプライチェーンのCSRリスクが拡大するなかで、“日本型CSR”がリスク促進要因となることを指摘する。そのうえで、CSRリスク回避のための「CSR調達」と「CSR監査」の必要性を論じる。

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