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景気ウォッチャー調査13年8月 ~ 現状判断DI、先行き判断DIは共に低下基調が続くも高水準を維持
押久保 直也
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■見出し
・現状判断DIは5ヶ月連続の低下
・先行き判断DIは2ヶ月ぶりの低下
■introduction
9月9日に内閣府から発表された2013年8月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状に対する判断DIは51.2となり、前月を1.1ポイント下回り5ヶ月連続の低下となったものの、水準自体は50を7ヶ月連続で上回った。一方、7月調査から参考系列として公表されている現状に対する判断DI(季節調整値)は50.9となり、前月を0.3ポイント上回り3ヶ月ぶりに上昇している。
項目別に見てみると、家計動向関連は、49.3ポイントと前月を1.3ポイント下回った上、水準自体も50を7ヶ月ぶりに下回った。これは(1)「天候不順が続いたことで、客足が減少したこと」(2)「スマホの夏モデル商品販売が低調だったこと」などが影響していると考えられる。
企業動向関連は、53.3ポイントと前月を1.2ポイント下回った。これは夏休み期間で営業日数が短い中、円安に伴う原材料価格上昇で製造業を中心に多くの企業の収益が圧迫されていることの影響と思われる。
雇用関連は、58.7ポイントと前月を0.6ポイント上回った。これは住宅投資への消費増税前の駆け込み需要、高齢化の進展に伴う介護需要の増加を背景として、建設業や介護業界を中心に求人が増加したことが影響しているとみられる。
景気の先行きに対する判断DIは51.2と2ヶ月ぶりに前月から低下したものの、水準自体は50を9ヶ月連続で上回った。また先行きに対する判断DI(季節調整値)は52.5となり、前月を0.5ポイント下回り2ヶ月ぶりに低下したものの、水準自体は50を9ヶ月連続で上回っている。
項目別に見てみると、家計動向関連は、49.6と前月を2.4ポイント下回った上、水準自体も50を9ヶ月ぶりに下回った。これは円安を主因とした生活必需品の値上げや消費増税によるマインド低下懸念が影響していると思われる。
企業動向関連は、53.4ポイントと前月を2.7ポイント下回った。これは円安に伴うコスト増加を主因として多くの企業で収益悪化が懸念されている影響と考えられる。
雇用関連は、57.0ポイントと前月を1.6ポイント下回った。これは消費増税後、価格転嫁が進まないことを主因として中小企業を中心に倒産が増えるという懸念によるものと思われる。
2013年8月の調査では現状判断DIは5ヶ月連続で低下し、先行き判断DIは2ヶ月ぶりに低下したものの、DIの水準自体は50を上回っており、引き続き高かった。生活必需品、電気料金の値上げ等による家計圧迫懸念の高まりなど不安材料があるものの、アベノミクスによる実体経済の本格的な回復が引き続き期待されるなど、景況感の改善基調は緩やかながらも維持されている。
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