2013年09月06日

進展が期待されるロボット介護機器(介護ロボット)開発 - 「重点分野」の開発補助事業48件が出揃う -

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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■要旨

いよいよ、本格的な介護ロボット開発支援策として、経済産業省の「平成25年度 ロボット介護機器開発・普及促進事業」が動き出した。事業は「開発補助事業」と「基準策定・評価事業」の2つがあり、前者は「開発助成」を行う事業であり、後者は開発を行う上での「安全基準」や「評価」手法などの開発環境を構築する事業である。

「開発補助事業」では、公募事業の中から第1次採択(5月28日公表)、第2次採択(早期分が7月31日、通常分が8月13日公表)を経て合計48事業(43社)の採択事業が出揃った。

その内訳は「移乗支援(装着)」が4事業、「移乗支援(非装着)」が7事業、「移動支援」が9事業、「排泄支援」が5事業、「認知症の方の見守り」が23事業となっている。

今後、ステージゲート方式で事業が進められる予定である。しかしながら、将来的にこれら機器を活用する施設には様々な状態像の要介護者が居ることや施設の環境などもあり、同一分野でも複数の機種開発が行われ、施設の様々な状況に適した「安価で利便性の高い」機器の選択肢が用意されることが重要である。

このほか、ロボット介護機器(介護ロボット)のコア技術を応用して一般の高齢者の日常生活の困りごとを支援する様々な機器開発が期待され、さらに最近では日常の健康維持・増進のための様々なICTを応用した機器開発も動き出している。これらの潜在的ニーズに対して関連する産業や企業群が積極的な開発を進め、新たな高齢社会を支える市場が開拓されることを大いに期待したい。そのためには、機器利用のユーザー目線に立った機器開発が重要である。

経済産業省の事業と厚生労働省の介護ロボットの実用化についての「相談窓口」設置などの開発支援事業がその具現化への契機となろう。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

(2013年09月06日「基礎研レポート」)

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