2013年09月02日

【インドGDP】5%割れ、険しさを増す回復への道

研究員   高山 武士

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1.ふたたび鈍化

インド中央統計機構(CSO)は8月30日に2013年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率(供給側)は前年同期比4.4%の増加となり、前期(同+4.8%)から減速、5%割れの水準が続いた。


インドの実質GDP成長率(供給側、前年同期比/支出側、前年同期比)



2.険しさを増す回復への道のり

4-6月期のインドの成長率は減速、3四半期連続で5%を割り、経済低迷が明らかになったと言える。年前半には回復の兆しも見えたものの、足もとでは懸念材料が多くなっている。

最大の懸念材料は、5月22日以降に起きた、米国における量的緩和策の縮小観測に伴うルピー安だろう。政府や中銀は通貨防衛策や、通貨安の一因でもある経常赤字改善策を打ち出しているものの、劇的な効果は見られない。

また、一時は改善していたインフレ率も再び上昇の傾向を見せている。急速にルピー安が進んでいることも考えれば、利上げも視野に入る水準と言える。ただし、中銀はこれまで、インフレ抑制のために政策金利を高めの水準に維持しており、GDP統計でも明らかになったように、生産低迷は長期化、投資の減速が顕著である。そのため、さらなる利上げは製造業を中心に大きな打撃を与える可能性がある。

そのため、インドの成長回復への道のりは険しさを増し、政策運営も難しくなっていると言える。

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高山 武士 (たかやま たけし)

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米国経済

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