2013年08月20日

円相場は乱高下の恐れも ~マーケット・カルテ9月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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7月に一時100円超で推移していたドル円相場は、8月に入って弱含んでいる。主に弱い米雇用統計結果や米量的緩和縮小への警戒感の高まりに伴うものだ。また、この間は国内外で大きな材料が不足するいわゆる夏枯れ状態となったことで、株価上昇に伴うリスクオン地合いが形成されなかったことも円安進行を阻害したと考えられる。

一方、9月には市場に材料が一気に投入される。特大の材料は9月米FOMCだ。米量的緩和第3弾がここで縮小されるかが焦点になる。年内縮小は折り込み済みながら、市場はまだ時期に関して確信が持てていない。米金利上昇を促すQE3縮小は本来円安要因だが、株価への悪影響懸念などからリスクオフが優勢となれば一時的な円高要因になる。思惑が非常に振れやすい時期だけに、ドル円相場は安定性を欠く可能性が高い。FOMCで答えが出た後は、リスク回避の後退によってセオリー通りの円安回帰を予想。また、9月には法人税減税の議論が進められるため、アベノミクスへの期待に伴う円安効果も期待できる。

ユーロドルについてもドルの動きの裏返しという側面が強くなるが、9月下旬の独総選挙後は欧州統合深化への期待からユーロが底堅さを増す可能性が高い。ユーロ円では円安ユーロ高になると見る。

長期金利は最近やや低下してきたが、低下余地は縮小しているとみられる。今後は景気回復期待の高まりや米金利上昇という上昇圧力が強まることで、3ヵ月後には現状比でやや上昇していると予想する。

(執筆時点:2013/8/20)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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