2013年08月09日

ロボット介護機器の開発動向-「重点分野」の1次採択事業の具体的開発事例-

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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■要旨

経済産業省による平成25年度の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」が順調に進行している。5月28日には「開発補助事業」公募の1次採択結果の24事業が公表された。さらに6月12日には、24事業のうち9事業(9社)の開発機器の概要がプレス発表された。本稿では、公表された9事業のロボット介護機器の概要を紹介する。

「重点分野」の24件の1次採択事業の具体的な内容は、「移乗支援(装着)」が1件、「移乗支援(非装着)」が5件、「移動支援」が4件、「排泄支援」が2件、「認知症の方の見守り」が12件となっている。追加の公募も実施されており、2次採択により開発補助事業の採択件数はさらに増えよう。

プレス発表された9機種のプロトタイプの機器や開発計画を見ると各社各様の技術的な工夫が行われ、同一の開発分野であってもその姿かたちや機能は多様であり、優劣は付けがたいように思われる。ユーザー側の施設などからすれば、自施設の状況に応じて最適な機器導入が可能となるよう、複数の選択肢が存在することは望ましいことであろう。

これら経済産業省の開発支援と並行して、7月29日には「介護ロボット実用化に関する相談窓口」が公益財団法人テクノエイド協会に設けられた。これは厚生労働省による平成25年度の「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」の一環として設置され、この他にも「実証の場の整備」「モニター調査の実施」「普及・啓発」の合計4つの取り組みが本格的に開始される。

供給サイドの企業にとって、新しい領域のロボット開発でもあり、需要サイドの介護施設などの協力なしには、「安価で利便性の高いロボット介護機器」の開発は難しく、両サイドの効果的な協働の仕組みづくりが重要である。この点については、過去のレポートでも繰り返し述べてきたが、いよいよ本格的な展開が開始される。今後の新たな領域のロボット介護機器の開発進展を大いに期待したい。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

(2013年08月09日「基礎研レポート」)

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