コラム
2013年08月05日

クラシック・ジャパンに親しもう! ―日生劇場「親子で楽しむ歌舞伎」公演を観て―

保険研究部 常務取締役 部長   中村 昭

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今年開場五十周年を迎えた日生劇場では、様々な記念公演が上演されています。8月2~4日には、「親子で楽しむ歌舞伎」公演が上演されまして、私も観てまいりました。

「親子で…」と銘打たれてはいますが、一般公演とまったく同様の本格公演です。花形俳優の尾上菊之助丈を中心に据え、「棒しばり」「鷺娘」という有名かつ人気の高い演目が、平易化・簡略化などのアレンジを一切加えずに上演されます。そのため、主催者の狙い通り、観客の9割がたは親子連れやお孫連れでしたが、残りは、見巧者の大人の歌舞伎ファンのようでした。

演目の冒頭で、同じく花形俳優である坂東亀三郎丈より、歌舞伎にまつわる楽しい解説が行われました。その中で、『初めて歌舞伎を観る人は挙手してください?』との質問があったのですが、子ども達だけでなく、付き添いの大人もほとんどの方が挙手されていました。私は、歌舞伎好きの親が子どもを連れて来ているのであろうと思っていましたが、実際は違っていました。子ども達だけでなく、親である大人の方々も、初めて歌舞伎を御覧に足を運ばれていたのでした。

歌舞伎ファンの私といたしましては、同好の士が増えることは、この上もない喜びです。そして、2時間の公演後の帰り際に、多くの親子連れの方々が、『歌舞伎って、けっこう面白いね』と会話されているのを、心地よく耳にしていたのでした。

さて、今年6月に富士山がユネスコの世界遺産に登録されまして、登山者や観光者が激増しているようです。実は、歌舞伎も2005年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。それだけではなく、能楽も文楽も雅楽も祇園祭の山鉾行事も、すべて無形文化遺産です。現在、世界遺産981件のうち、日本にあるものは17件(1.7%)ですが、無形文化遺産298件のうち、日本にあるものは22件(7.4%)もあります。

話題のクール・ジャパンの主力は、近代文化やポップカルチャーですが、日本の古くからの伝統芸能や伝承文化である、クラシック・ジャパンも、世界の評価を受けているのです。日本に住む私たち自身が、この遺産を知り、この遺産に親しまなければ、この世界的な無形文化遺産を継承していくことはかないません。

まずは、22件の無形文化遺産から、“私のお気に入り”を探されてみてはいかがでしょうか。

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保険研究部   常務取締役 部長

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