2013年08月05日

【インドネシアGDP】通貨安で景気の下押し圧力は強い

研究員   高山 武士

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1.6%成長ならず

インドネシア中央統計庁(BPS)は8月2日、2013年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDPは前年同期比(原系列)で5.8%の増加となり、前期の2013年1-3月期(同+6.0%)よりやや減速、2010年7-9月期以来の6%割れとなった。

インドネシアの実質GDP成長率(需要側/供給側)


2.ルピア安による景気下ぶれ懸念拡大

最大の懸念材料であるルピア安は現在も歯止めが掛かっておらず、先行きに関してはさらなる下ぶれリスクも大きくなっている。

インドネシアでは2012年に入ってから、貿易赤字に転じて通貨安になりやすい環境となっており、海外経済で需要の再加速が見込みにくい上、資源輸出は通貨安による輸出数量の回復効果にも乏しいと思われることから、しばらく輸出の改善は見込みにくい。加えて、今年5月後半以降、米国の量的緩和策の縮小観測により、新興国全体で資金引き揚げの動きが見られたことで、一段と通貨安が進んでいる。

こうしたルピア安を背景に国内では輸入インフレが加速、また、6月に燃料補助金の削減(燃料価格の引き上げ)が実施されたことも、インフレ率を押し上げている。インドネシア中銀はインフレやルピア安を許容しない姿勢を見せ、6月と7月に2カ月連続で政策金利と金融ファシリティ金利を引き上げている。しかし、今のところ、為替相場は安定していない。

今後も貿易赤字に改善が見込まれないため、金融引き締めによるインフレやルピア安の改善効果は限定的と考えられる。一方で、利上げによる企業の投資減速も懸念されつつあり、成長率への下押し圧力が強さを増している状況にある。景気を腰折れさせるほどではないと見ているが、ルピア安に改善の兆しが見られない以上は、当面5%台の推移を余儀なくされる可能性が高いだろう。

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高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
米国経済

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