コラム
2013年07月19日

女子大生が考える今後の日本の税金は? ― 多様な意見に耳を傾け、社会問題の解決や財政の安定を ―

生活研究部 准主任研究員   金 明中

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2012年8 月10日、消費税率の引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革関連法案が参議院本会議で可決・成立され、現行5%の消費税は、2014年4月に8%、2015年10月には10%へと引き上げられることになった。消費税率の10%引き上げにより、税収は12.5兆円の増加(消費税率1%を2.5兆円に計算した場合)が予想される。しかしながら、現在の日本の財政状況を考慮すると、さらなる税収の確保が必要とされてくるであろう。

筆者はある女子大学で経済学概論の講義を担当しているが、先日の講義の際に、日本の財政状況を概説した上で、「新しい税収を確保するために今後日本政府がどのような税金を導入すべきか」について学生の意見を聞いてみた。

私の講義の受講生は、ほとんどが1、2年生で、今まで経済学と関連した講義を受講した経験があまりない。意見を収集した結果、マスコミでよく取り上げていた環境税やタバコ税、ファストフード税、お菓子税を新しい財源として活用すべきだという意見が多かったが、若い女子大生ならではの面白い意見も多くあったので、実現性の有無は別にし、ここで紹介したいと思う。女子大生が考えてくれたユニークな税目は次の通りである。

  • ゲーム機税:最近は小学生が、外で遊ばない傾向が目立つのでゲーム機に税金をつけたら、子どもたちがゲームばかりではなく、外で遊ぶようになるのではないか。
  • ヘアカラー税:最近は髪を染める人が多くなっており、日本人の綺麗な髪色である黒髪が、減っている。従って、ヘアカラー税の導入は税収の確保とともに、黒髪を守る効果もある。
  • ポイ捨て税:ポイ捨てする人が減り、町が綺麗になる。
  • ブランド税:一般に超高級と言われるブランドの税率を引き上げる。
  • 遅刻税:1年間の遅刻数を合計し、授業料に加算させる。
  • ペット税:犬の排泄物をそのままにしておいて、人に迷惑をかける人が増えている。ペットを飼っている人は少なくとも貧しい人ではないと思うから税をかけても大丈夫だと思う。
  • 体重税:体重ごとに納める税金を決める。体重が重ければ重いほど払う税金が多くなるように設定する。
  • ニート税:ニートを2年間続けるなど、働く意欲がない若者に税金を課する。
  • 部屋ごみ税:部屋にごみを溜めて近隣の人に迷惑をかける人に税金を徴収する。
  • 車内向上税:電車やバス内でマナーが悪い(走り回る、大声でおしゃべりをするなど)に徴収する。
  • ごみ税:ごみを減らすためにごみの量によって税金を払わせる。
  • アイドルCD税:アイドル好きの若者がCDの購入のために、より働くことになる。また、握手会のために無駄にCDを大量購入する行動を一部防げる。
  • 携帯電話利用税:最近、携帯電話ばかり見ていて、やらなければならないことを後回ししたり、やらなかったりする人が増えているようなので、携帯電話の使用分に合わせて徴収をすると、用事がないのになんとなく携帯をいじるという人は減ると思う。
  • 成績税:勉強をせず、成績が悪い人には税金を徴収させる。
  • 飲酒税:少量の飲酒は体に良いかも知れないが、飲みすぎると体にあまりよくないので、一定量を超えてお酒を購入・注文する人には税金を払わせる。
  • エスカレーター税:国民がより階段を使い健康になるように。
  • いじめ税:他人をいじめた場合に税金を徴収し、社会問題になっているいじめを減らす。
  • イケメン税、美人税:他の人より顔やスタイルがいい人は、得をする機会が多いので、その得をしている分税金を払うべきである。
  • 運動不足税:高齢や障がい、病気等特別な理由なしで一週間に一定時間以上運動をしていない人には税金を納めるようにする。
  • 離婚税:離婚税を設定し、あまり簡単に別れられないようにすれば(家庭内暴力など特別なケースを除いて)、高くなっている日本の離婚率を下げることができる。

以上のような税金を財政の専門家らに見せたらどういう反応をするだろうか。多分、(1)税金と罰金をはき違えている、(2)実現可能性がない、(3)基準を設定する等、税金を徴収するまでの手続きが簡単ではない、(4)実現しても税収が大きく増えないという答えが多いだろう。しかしながら筆者はその導入の可能性や税収の大きさよりも、女子大生ならではのアイディアに注目したい。成績税や遅刻税、そしてヘアカラー税などは若い学生の考えが如実に現れた税目であるだろう。また、女子大生の多くは、現在日本が直面している社会問題をよく把握しており、それを解決する方法として、いじめ税や離婚税、そしてニート税等の導入が必要だという意見を提案している。

彼女達が提案してくれた上記のような税金は、金額としてはそれほど大きくないが、現在の日本に起きている様々な社会問題を解決するための一策になるかも知れない。

日本政府が、より多様な意見に耳を傾け、社会問題の解決とともに財政の安定を実現できることを望むところである。

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生活研究部   准主任研究員

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
社会保障論、労働経済学、日・韓社会保障政策比較分析

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