- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探る
2013年07月12日
経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探る
経済研究部 経済調査室長・総合政策研究部兼任 斎藤 太郎
- アベノミクスの効果を定量的に捉えることは難しいが、エコノミストの経済予測が安倍政権発足前後でどれだけ変化したかを見ることにより、その効果を探ってみた。
- ESPフォーキャスト調査を用いて、政権交代前と直近の予測値(平均)を比較すると、実質GDP成長率は2013年度が1.38%(1.37%→2.75%)、2014年度が0.34%(0.23%→0.57%)の上方修正、消費者物価上昇率は2013年度が0.28%(0.08%→0.36%)、2014年度が0.37%(0.34%→0.71%)の上方修正となっている。
- 実質GDPの上方修正を需要項目別にみると、民間消費、公的固定資本形成、外需の上振れが大きい。また、当研究所のマクロモデルによる試算では、実質GDPの上方修正は円安、株高、公共投資増額でほとんど説明できる。
- このことは、これ以上の円安、株高がなければ成長率のさらなる高まりが期待しにくいことを意味している。実際、一本調子の円安、株高が止まったことを受けて、7月のESPフォーキャスト調査では、予測値の上振れが一服する動きが見られた。
- 円安、株高が止まった後も、成長率、物価見通しの上方修正が続くようであれば、エコノミストはアベノミクスを本物と見ていることになる。アベノミクスの真価が問われるのはこれからだ。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
ソーシャルメディア
レポート
-
研究領域
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
【経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探る】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探るのレポート Topへ