2013年06月18日

市場の沈静化に期待 ~マーケット・カルテ7月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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5月下旬以降、市場の風景が一変した。バーナンキFRB議長の議会証言を受けて米量的緩和第3弾(QE3)の早期縮小観測が高まり、金余り相場の転換が意識され、世界的に株式市場が動揺した。株式・為替市場ではポジション解消の動きが横行し、過熱感の高かった日本の株価が急落、円が急騰した。QE3縮小は本来円安要因のはずだが、円売りポジション解消やリスク回避に伴う円高圧力が優勢となった形だ。

目先の焦点は19日米国連邦公開市場委員会(FOMC)後のバーナンキ議長会見だ。市場はQE3縮小に関して市場の懸念を緩和するような発言を期待している。その通りになれば円安に、失望すれば円高に振れるとみられるが、市場の動揺はいずれ収まるはず。今後3ヵ月という時間軸では、セオリーどおり、日米金融政策の違いから円安ドル高が進むと見る。日本の貿易赤字継続も円安のサポート材料となる。

ユーロドルについてはドル安の裏返しで堅調だが、域内景気の低迷が続くなかで積極的なユーロ買い材料は少ない。今後はドルが持ち直すにつれてユーロドルは軟調となるが、円の対ドル下落幅には及ばず、対円ではやや円安ユーロ高になると見る。

長期金利は未だ不安定な動きを続け、異次元緩和前と比べて高止まりしている。日銀の沈静化策による債券需要回復が金利低下圧力として期待される一方で、景気回復期待の高まりや米金利上昇が上昇圧力となる形で、3ヵ月後の長期金利は現状比横ばい圏内と予想する。

(執筆時点:2013/6/18)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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