2013年06月11日

鉱工業指数の基準改定~基準改定による景気の局面判断への影響は軽微か

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・鉱工業指数は2005年基準から2010年基準へ
・基準改定による景気の局面判断への影響は軽微か
・今回の公表方法には問題も

■要旨

経済産業省は6/11、鉱工業指数の基準改定(2005年基準→2010年基準)の概要を公表した。2010年基準の指数は6/18公表予定の2013年4月確報分からとなっているが、今回はそれに先立ち、2010年基準の採用品目、ウェイト、季節調整に用いるスペックファイル、2008年1月~2012年12月の業種別指数などが公表された。
新基準の生産指数を旧基準と比較すると(2005年基準を2010年=100に変換して比較)、基調的な動きはそれほど変わっていないが、新基準のほうが動きが滑らかとなっており、2012年春以降の落ち込み幅が小さくなっている。旧基準では鉱工業生産指数の直近のピークは2012年1月、直近のボトムは2012年9月で、その間の落ち込み幅は▲9.8%だったが、新基準の指数ではピークが2012年1月、ボトムが2012年11月となり、その間の落ち込み幅は▲8.0%となった。直近のピークは旧基準と変わらず、ボトムが2ヵ月遅くなったが、2013年1月以降の指数が公表されていないため、ボトムはさらに後ズレする可能性もある。
景気基準日付は主として景気動向指数の一致指数を用いて行われるが、一致指数11系列のうち4系列が鉱工業指数の関連指標である。そこで、鉱工業生産指数以外の改定状況も確認しておくと、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数については、旧基準と山谷の時期は変わらなかった(鉱工業生産財出荷指数は山が2012年3月、谷が2012年11月。耐久消費財出荷指数は山が2012年2月、谷が2012年11月。投資財出荷指数(除く輸送機械)は、作成に用いられる指数が未公表のため、試算できず)。ただし、いずれの指数も2012年12月までしか公表されていないため、2013年1月以降の数値次第では谷の時期がずれる可能性もある。
従来の指数をもとにすれば、直近の景気の山は2012年3月、景気の谷は2012年11月、すなわち2012年4月から11月まで景気後退局面にあったとの見方が大勢だった。現時点ではデータが不十分であるため確定的なことは言えないが、今回の基準改定が景気の局面判断に大きな影響を及ぼすことはなさそうだ。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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