2013年06月03日

【インドGDP】成長のけん引役不在の状況が続く

研究員   高山 武士

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1.5%割れが続く状況

インド中央統計機構(CSO)は5月31日に2013年1-3月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率(供給側)は前年同期比4.8%の増加となり、前期(同+4.7%)からやや加速したものの、5%割れの水準にとどまった。その結果、2012年度(2012年4月~翌年3月)のGDP成長率は前年比+5.0%と前年度(同+6.2%)から低下した。


2.けん引役不在の状況は長引く

1-3月期のインドの成長率は改善したが、力強さは見られないものだった。今後についても、卸売物価指数(WPI)上昇率と貿易収支の改善という、好材料が見えてきたものの、成長の抑制要因は多く、しばらく低迷が続く可能性が高い。

まず、WPI上昇率の低下ほどに消費者物価(CPI)上昇率が低下していない。また、来年春に総選挙を控え、その結果によっては政府方針や投資環境が変わり、投資プロジェクトが停滞する恐れがあることから、こうしたリスクを避けるために、企業が積極的な投資を控える可能性がある。政府は昨年以降、外資規制の緩和などの構造改革に取り組み、海外資本の流入活性化を図っているものの、現時点では、成長のけん引役としては不十分であると考えられる。

つまり、国内環境の改善が、個人消費や投資など内需の高まりにつながらず、成長のけん引役不在の状況が続く恐れがある。そのため、インド政府にはインフレを招く流通網の改善、電力不足などの投資環境の改善、外資系資本誘致に向けた改革推進など、さらなる経済改革に向けた取り組みが求められていると言える。

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