2013年06月03日

法人企業統計13年1-3月期 ~5四半期連続の増益も、企業の設備投資意欲は高まらず

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・5四半期連続の増益
・企業の設備投資意欲は依然として弱い
・1-3月期・GDP2次速報は小幅下方修正を予想

■introduction

財務省が6月3日に公表した法人企業統計によると、13年1-3月期の全産業(金融業、保険業を除く、以下同じ)の経常利益は前年比6.0%(10-12月期:同7.9%)と5四半期連続の増加となった。非製造業は前年比▲3.2%(10-12月期:同2.0%)と5四半期ぶりの減益となったが、製造業が10-12月期の前年比21.4%から同28.3%へと伸びを高めた。
製造業は、輸出の持ち直しを主因として売上高が前年比▲6.6%(10-12月期:同▲7.0%)と減少幅が若干縮小したことに加え、売上高経常利益率が12年1-3月期の3.8%から5.2%へと大幅に改善したことが収益の増加につながった。製造業の利益率(前年差)を要因分解すると、人件費は利益率の悪化要因(人件費自体は減少したが、売上高よりも減少幅が小さかったため)となったが、変動費の大幅減少が利益率の改善に大きく寄与した。変動費要因だけで製造業の利益率は前年に比べ1.4ポイントも改善した。一方、非製造業も売上高の減少幅は10-12月期の前年比▲6.7%から同▲5.4%へと縮小したが、利益率の改善が前年に比べ0.1ポイント(12年1-3月期:4.0%→13年1-3月期:4.1%)と小幅にとどまったため、増益を確保することができなかった。非製造業の利益率の改善幅は12年4-6月期の前年差0.7ポイントをピークに縮小傾向が続いている。
設備投資(ソフトウェアを含む)は前年比▲3.9%(10-12月期:同▲8.7%)と2四半期連続の減少となった。製造業(10-12月期:前年比▲9.6%→1-3月期:同▲8.3%)、非製造業(10-12月期:前年比▲8.2%→1-3月期:同▲1.5%)ともに2四半期連続で減少した。
季節調整済の設備投資(ソフトウェアを除く)は前期比▲0.9%と2四半期ぶりの減少となった。製造業が前期比▲1.1%(10-12月期:同▲4.3%)と3四半期連続の減少、非製造業が前期比▲0.9%(10-12月期:同3.7%)と2四半期ぶりの減少となった。
アベノミクスへの期待、円安、株高の進展などから、企業の景況感は大きく改善し、企業収益も回復基調が続いているが、企業の設備投資意欲は依然として弱い。足もとの設備投資の水準はキャッシュフローを大きく下回り、減価償却費並みとなっている。4-6月期以降は円安に伴う企業収益の改善を主因として製造業を中心に設備投資は持ち直しに向かうことが予想されるが、企業の中長期的な成長期待が高まることによって設備投資の回復が本格化するまでには時間を要するだろう。
本日の法人企業統計の結果等を受けて、6/10公表予定の13年1-3月期GDP2次速報では、設備投資の下方修正を主因として実質GDPが1次速報の前期比0.9%(年率3.5%)から前期比0.8%(前期比年率3.3%)へと若干下方修正されると予想する。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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