2013年05月16日

【マレーシアGDP】予想外の低成長

研究員   高山 武士

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1.現状:予想外の4%前半

マレーシア統計庁(DOSM)は5月15日に2013年1-3月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で4.1%の増加となり、前期の前年同期比+6.5%より大きく減速、2009年7-9月期以来の低い成長率となった。


2.選挙は混乱なく終了、過度の悲観は必要なし

今回のGDP統計からは、マレーシアの成長率が大きく低下し、外需に対する懸念が浮上したと言える。月次の輸出動向を地域別に見ると、米国・欧州・日本・中国向けの輸出が足もとですべてマイナス成長に陥っており、ASEAN向けを除く輸出がすべて冴えない状況となっている。特に主要産業である先進国向けの電気電子機器の輸出は不調である。

ただし、好感できる材料もある。内需のうち、やや弱含んでいた個人消費は持ち直しており、また、5月5日に行われた総選挙で与党連合が野党連合に勝利したことで、経済成長に対する政治的なリスクの軽減につながった。

そのため、マレーシアの成長率は大幅に鈍化したが、過度に悲観的になることはないと思われる。

ただし、輸出に改善の兆しが見えていないことには注意が必要だろう。また、マレーシアでは、長らく選挙対策ということもあって、燃料への補助金のほか、公務員の給与引き上げや低所得者層への現金支給などバラマキ的な財政支出が実施されてきた。しかし、財政赤字が続き、政府債務も拡大しているため、続投の決まったナジブ首相には、財政再建が求められるだろう。補助金削減や消費税導入などの財政再建は不可欠だが、バラマキ型の財政支出で成長率を押し上げてきた面もあるだけに、景気が腰折れしないよう注意する必要があるだろう。

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