2013年05月07日

リスク自体の分散化を図るリスクパリティーの検討

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リスクパリティーとは低リスク運用の一つで、ポートフォリオ全体に占める各資産クラス(あるいは各銘柄)のリスクが均等になるよう保有する運用戦略である。投資金額を各資産に分散させるのではなく、リスク自体の源泉を分散させる意図がある。

債券運用のリスクと比較して株式運用のリスクは大きいため、ポートフォリオのリスクを均等にするためには、従来の年金運用と比較して、株式への資産配分が減る傾向がある。

リスク分散が可能なだけでなく、リスクとリターンから見て効率的、つまり高いシャープレシオを実現できる可能性がある運用方法として、近年、年金運用でも注目されている。

この理由は研究途上であるが、機関投資家がベンチマークを基準として運用し、レバレッジを回避していることが、リスクパリティーを有利にしているとする研究がある。この傾向が続くなら将来的にもリスクパリティーは高いリターンが期待できそうだが、年金基金にも同様な制約があり、リスクパリティーを採用しづらい。ただし、最近ではこのような制約を回避しながら、効率的なリターンを狙える運用方法も開発されているようで、年金運用でも検討の余地があろう。

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【リスク自体の分散化を図るリスクパリティーの検討】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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