2013年04月05日

金融市場の動き(4月号)~期待先行相場の終焉と円相場の行方

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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  1. (為替) 従来の急激な円安進行という期待先行相場は、日銀が期待に見事応えたことで政策に裏打ちされた。今回導入された「量的・質的緩和」の影響を考えると、日米長期金利差などの観点から明らかに円安要因と考えられる。一方で、今回日銀は政策を総動員したため、しばらくは現状維持を続けるとみられるうえ、大規模な緩和をこれからも追加していくことはまず不可能であるため、市場は追加緩和を期待しにくくなったとみられる。日本がビックイベントを通過したことで、今後は海外情勢がカギとなりそうだ。米経済の回復はそれ自体がドル高要因であるほか、世界的なリスクオン地合いに繋がり、最強のリスクオフ通貨である円売りを促してきた。先行きは米経済指標が春以降弱含み、世界株安になる傾向があることが気がかりだ。今後も中期的に米経済の回復は続き、ドル高トレンドは維持されると思うが、米経済の減速が確認されれば、ドル円の上値を抑えかねない。
  2. (日米欧金融政策) 3月は日米欧ともに金融政策を現状維持としたが、今月に入り日銀が新たな金融緩和の枠組みを導入。ユーロ圏が様子見、米国は将来の出口を議論している中で、日銀の緩和スタンスが際立つことに。
  3. (金融市場の動き) 3月の金融市場は、円安ドル高、ユーロドルは続落、長期金利も低下した。長期金利は当面底這い、ドル円は米雇用統計を確認する必要があるが、日銀緩和を受けて底堅い展開を予想。ユーロドルは上値が重く、イタリア政局が波乱要因。



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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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