2013年02月21日

マレーシア10-12月期GDP:前年同期比+6.4%~高成長を達成、今後は選挙戦にも注目

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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・現状:高成長を達成、ただし、見た目よりは強くない
・今後は選挙戦にも注目

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マレーシア統計庁(DOSM)は2月20日に2012年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で6.4%の増加となり、7-9月期の前年同期比+5.3%より大幅に加速、2010年4-6月期以来の6%を超える成長率を記録した。結果として、2012年通年では+5.6%の成長を達成し、2012年の+5.1%を大きく上回った。
成長率の内訳を需要項目別に見ると(図表1)、純輸出のマイナス寄与が大幅に縮小したことが10-12月期の成長率を押し上げていることが分かる。実際、輸出が10-12月期には前年同期比▲1.5%と7-9月期(同▲3.0)から改善し、輸入が10-12月期には前年同期比▲0.9%と7-9月期(同+4.4%)から大きく悪化したため、結果として、成長率への寄与度は▲0.6%ポイントと7-9月期(▲6.8%ポイント)から大幅に改善した。また、内需について項目別に見ると7-9月期より若干弱い結果だったことが分かる。10-12月期の消費は前年同期比+4.8%と7-9月期(同+7.3%)より減速、10-12月期の投資は同+15.0%でこちらも7-9月期(同+22.7%)より減速している。
したがって、成長率全体としては高成長だったものの、実際は7-9月期と比較してやや弱い結果だったと言えるだろう。
供給側(図表2)を見ると、10-12月期は建設業が前年同期比+18.1%と7-9月期(同+18.3%)に続き2期連続の2桁成長を達成し、好調さを維持している。また10-12月期は製造業が前年同期比+5.8%となり、7-9月期(同+3.3%)から持ち直したこと、鉱業が同+4.3%と7-9月期(▲1.2%)からプラス成長に転じたことが成長を押し上げた。10-12月期のサービス業は前年同期比+6.3%と6%を超える成長は達成したものの、7-9月期の同+7.0%からは若干減速している。

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2002年 東京工業大学入学(理学部)
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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