コラム
2013年02月07日

仕事を取りに行く!! ミドルの行動 - JSHRMリサーチプロジェクト・シンポジウム

生活研究部 主任研究員   松浦 民恵

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夜19時前になると、学習院大学の会議室に老若男女が集まり始まる。筆者を含むJSHRMのリサーチプロジェクトのメンバー13名。20~60代のビジネス・パーソンや人事の実務家・研究者などで、組織も所属もバラバラだが、ミドルの人材マネジメントに関心を持ち、リサーチプロジェクトのメンバーとして名乗りをあげたという点だけが共通している。
   JSHRM(Japan Society for Human Resource Management=日本人材マネジメント協会)とは、「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を目指して2000年に設立された、日本を代表する人材マネジメントの専門団体である。リサーチプロジェクトはJSHRMの活動の一つであり、ビジネス・パーソンのキャリアを若年、ミドル、シニアの一連のステージから構成される「ライフキャリア・チェーン」と捉え、初年度は若年、次年度はシニア、最終年度に当たる今年度はミドル、をテーマとして公募メンバーによる研究が行われた。

今年度のリサーチプロジェクトのスタート時点で、決まっていたのは「ミドル」というテーマだけ。現状について口角泡を飛ばしながら議論するなかで、さまざまな課題が見えてきた。

・ミドルが成長できるような「良い仕事」が減ってきている(高度成長期には、待っていればミドルに良い仕事が供給された)。
・人事が思う良い仕事と、個人が思う良い仕事に、乖離が出てきているのではないか。
・企業経営は課題だらけなのだから課題解決のための挑戦的な仕事(成長できる良い仕事)もたくさんあるはずなのに、どうして良い仕事が減ってきているのか?

既存データの二次分析などを通じてリサーチを深めるなかで、議論のなかでの仮説は確信に変わっていく。ミドル(ここでは30~40代のビジネス・パーソンを指す)の閉塞感の背景には、これまで人事が提示してきたミドルのキャリアが、今の時代に合っていないという課題がある。望ましいキャリア戦略は普遍的なものではなく、時代によって異なる。つまり、会社からキャリアを与えられる時代は終焉し、ミドル自らが成長できる良い仕事を取りに行き、キャリアを造っていくことが求められる時代になってきている。そこで、リサーチプロジェクトでは、今の時代にふさわしいミドルのキャリアとして、「会社の引いた路線に乗ったキャリアではなく、ビジネス・パーソンとして成長しつつ経営革新を主導するキャリア」を提言する。

このリサーチプロジェクトの集大成として、3月9日(土)13時~17時に、学習院大学でシンポジウム「仕事を取りに行く!! ミドルの行動~時代が決めるミドルのキャリア戦略」が開催される。シンポジウムでゲストスピーカーとしてご登壇頂くセゾン投信株式会社代表取締役社長の中野晴啓氏は、組織のなかで数々の困難にぶつかりながら、長年の悲願であったセゾン投信を立ち上げられた方である。組織を飛び出して良い仕事を取りに行ったミドルの事例はこれまでも少なくないが、中野氏のように、組織のなかにとどまって良い仕事を造り出した事例はあまり知られていない。それだけ、ミドル個人が組織を変革することは難しいのかもしれないが、一方でミドル個人が行動しない限り組織が変わることはない、というのも事実である。

シンポジウムでは、中野氏の基調講演の後、ミドル当事者でもあるリサーチプロジェクトメンバーとのトークセッション、さらには参加者の皆さまとのフロアセッションを予定している。このシンポジウムが、リサーチプロジェクトの発表の場となるだけでなく、ミドル当事者やミドル予備軍をはじめ、ミドルに関係する多くの方々と一緒に、今の時代に合ったミドルのキャリア戦略、さらには明日からの自分自身の行動について考える場となれば、メンバー一同、これ以上嬉しいことはない。土曜日開催ですので、私服でお気軽にご参加ください。


 
 この他、JSHRM事務局の佐藤 麻里子氏も、終始、リサーチプロジェクトメンバーを献身的に支えてくださった。

 JSHRMについてはhttp://www.jshrm.org/ を参照されたい。

 シンポジウムの詳細についてはhttp://www.jshrm.org/event_3973.htmlを参照されたい。

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生活研究部   主任研究員

松浦 民恵 (まつうら たみえ)

研究・専門分野
雇用・就労・勤労者生活、少子高齢社会

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