2013年02月06日

インドネシア10-12月期GDP:前年同期比+6.1%~来年に選挙を控え、海外投資家の動向が鍵に

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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■見出し

・高成長を維持
・海外からの投資に伸び悩みの兆しも

■introduction

インドネシア中央統計庁(BPS)は2月5日、10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で6.1%の増加となり、7-9月期(同+6.2%)より若干悪化した。結果として2012年通年の成長率は前年比+6.2%となり、2011年の+6.5%から減速した。
成長率の内訳を需要別に見ると、内需の減速と純輸出のマイナス寄与が目立っている。内需に関しては、投資が10-12月期には前年同期比+7.3%となり、7%は超えているものの、7-9月期(同+9.8%)より大幅減速、それ以前は2桁成長していたことを考えると急速に鈍化した感がある。また、10-12月期の政府支出は、前年同期比▲3.3%と7-9月期(同▲2.8%)に引き続き2期連続のマイナス成長となっており、これらが成長を阻害した。ただし、個人消費は前年同期比+5.4%と7-9月期なみ(同+5.6%)の成長を維持している。
純輸出に関しては、10-12月期の輸出は前年同期比+0.5%と7-9月期(同▲2.6%)から若干のプラスに転じた。ただし、輸入も前年同期比+6.8%と7-9月期(同▲0.2%)から大きく伸びたため、純輸出の成長への寄与は▲2.5%ポイントと7-9月期(同▲1.2%ポイント)から再び拡大した。
供給側を見ると、すべての産業でプラス成長を記録している。ただし、農林水産業の成長率が前年同期比+2.0%と7-9月期(同5.3%)から大幅減速、寄与度にして+0.7%ポイントから+0.2%ポイントまで縮小しており、これが10-12月期に成長率が減速した主因と言える(図表2)。一方、GDPシェアで約4分の1を占める製造業は前年同期比+6.2%と7-9月期の同+5.9%から加速した。サービス業も成長を牽引している商業・ホテル・レストランが前年同期比+7.8%と7-9月期(同+7.2%)から改善し、好調だったといえる。

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2002年 東京工業大学入学(理学部)
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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