2013年01月31日

台湾2012年10-12月期GDP:前年同期比+3.42%~成長率は大幅改善、回復軌道に乗る

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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■見出し

・現状:成長率は大幅改善
・先行き:回復が続くと見込まれる

■introduction

台湾の行政院主計処(DGBAS)は1月31日、2012年10-12月期の実質域内総生産(GDP)の速報値を公表した。成長率は前年同期比(原系列)で+3.42%となり、7-9月期の同+0.98%から大幅改善、前期比年率(季節調整済)でも+6.00%と大きく加速した。結果として2012年の成長率は前年比+1.25%となり、同機関が昨年11月に予測した数値(+1.13%)を上回る結果となった。
実質GDP成長率を需要項目別に見ると(図表1)、前年同期比で見て、すべての項目で改善している。特に資本形成(投資+在庫変動)が前年同期比+5.82%となり、2011年1-3月期以来のプラス成長に転じたことが成長率を押し上げた。一方、個人消費は+1.62%と7-9月期(同+0.89%)を上回ったものの力強い伸び率ではなかった。外需に関しては、輸出が前年同期比+3.98%、輸入が前年同期比+2.16%となり、それぞれ7-9月期(輸出は+1.77%、輸入は+2.16%)から加速、成長への寄与度でも+1.80%ポイントと7-9月期(同+0.63%ポイント)から大幅に増加、成長率を押し上げている。
供給側を見ると、主要産業である製造業が前年同期比+5.58%と7-9月期(同+2.23%)から大きく改善し、成長を牽引している(図表2)。また、その他の多くの産業についても改善が見られた。ただし、運輸・倉庫、宿泊・外食など一部の内需関連のサービス業は伸び率が悪化しており、全体として成長は改善しているものの、まだ全産業まで波及していないと言えるだろう。

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2002年 東京工業大学入学(理学部)
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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