2013年01月07日

金融市場の動き(1月号)~未知の領域に入った為替レート

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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  1. (為替) 11月半ば以降、内外金利差と為替との関係性が完全に崩れている。日米金利差から推計される理論上のドル円レートは直近で79.5円と、実勢と大きく乖離しており、乖離幅は近年経験したことのないレベルになっている。ここには複数の円安要因発生、なかでも自民党政権による金融緩和強化観測の高まりが影響しており、現在の状況が正当化できないわけでは無い。ただし、これほどの“金利差無き円安進行”は未知の領域であるだけに、その持続力についても不確実性が高い。今後、大幅な円高方向への調整を回避するためには、市場の緩和期待を政治が繋ぎ、さらに実行力で応えることが必要となる。逆にそれが出来なければ、投機筋の円売りポジション解消に伴う円高が生じるだろう。また、2月以降、イタリアの総選挙や米債務上限問題が控えている。これら欧米の情勢次第では、リスク回避的な円の買戻しも想定される。
  2. (日米欧金融政策) 12月に日米が追加緩和を決定した。ECBは動かず。今月21~22日の日銀決定会合では「2%の物価目標」の導入について検討し、結論を出すことになるが、幅広い論点と可能性が考えられるだけに、その内容と市場の反応が非常に注目される。
  3. (金融市場の動き) 12月の金融市場は、円安ドル高、ユーロドル上昇、長期金利も上昇した。ドル円相場は、日銀の金融緩和期待がうまく繋がれているため、当面底堅い展開が続きそうだが、欧米情勢の不透明感により1月下旬以降は波乱含み。



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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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