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■見出し
1――2013年度経済見通しの特徴
2――コンセンサス予測の精度
3――個別機関の予測精度
4――まとめ
■introduction
年末から年明けにかけて、新聞、雑誌などでは翌年度の経済予測が取り上げられる機会が多くなるが、実績値が予測値からどれだけ乖離したかについて検証されることは意外に少ない。本稿では、実質GDP成長率の予測精度について検証を行った。
1980年度から2011年度までの32年間における予測値(各予測機関の平均値=コンセンサス)と実績値との乖離は平均1.4%(平均絶対誤差)で、32回のうち18回は実績値が予測値のレンジ(予測機関の最大値~最小値)からも外れている。
景気循環と予測誤差の関係をみると、景気回復局面では実績値が予測値から上振れ、景気後退局面では実績値が予測値から下振れる傾向がある。景気回復期の上振れ幅は平均0.8%、景気後退期の下振れ幅は平均▲1.7%である。
個別機関の予測誤差をコンセンサス予測の誤差と比較すると、2000~2011年度の12年間でコンセンサス予測よりも誤差が小さかったのは23機関中7機関と全体の3分の1以下にとどまった。これは、コンセンサス予測の誤差は個別機関のプラスの誤差とマイナスの誤差が打ち消されることにより絶対値が小さくなるためである。
経済予測の利用者は、個別機関の予測の優劣に関して情報がない場合には、相対的に優秀なパフォーマンスを示すコンセンサス予測を利用したほうが無難である。ただ、予測値が外れる方向と景気循環の間には一定の法則があるため、景気循環に応じて予測を使い分けることは有効と思われる。すなわち、景気が回復すると考えられる場合には強気派の予測、景気が後退すると考えられる場合には弱気派の予測を採用すればより良いパフォーマンスを得ることが期待される。また、たとえば過去数年間の個別機関のパフォーマンスを知ることができる場合には、相対的に優秀な機関の予測値を組み合わせることでより精度の高い予測値を利用することが可能となる。経済予測をうまく活用するためのひとつのヒントと言えるだろう。
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