2012年12月11日

11月マネー統計~投資信託が10ヵ月連続のマイナスに

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

・貸出動向:およそ3年ぶりの伸び率に
・マネタリーベース:過去2番目の高水準
・マネーストック:投資信託が10ヵ月連続のマイナスに

■introduction

日銀が12月10日に発表した11月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行貸出(平残)の伸び率は前年比1.3%と、4ヵ月連続の1%超え、かつ伸び率は2009年10月以来およそ3年ぶりの高水準となった。
業態別で見ると、地銀(第2地銀を含む)の伸び率が前年比2.6%(前月改定値は同2.5%)と引き続き堅調をキープ。都銀等はまだマイナス圏を脱していないものの対前年▲0.1%(前月は同▲0.4%)と、マイナス幅をかなり縮小している。貸出先別の趨勢では、大・中堅企業向けや地方公共団体向けがプラスを維持しているうえ、長期にわたり減少を続けてきた中小企業向けのマイナス幅も縮小傾向にある(図表1~5)。

一方、銀行の貸出金利を見ると(図表6)、金融緩和に伴う国債利回り低下や厳しい競争を反映して、前年に比べて各業態そろって貸出金利の低下がみられる(図表6)。資金調達サイドの預金金利については低下余地が従来から殆ど無いため、貸出金利の低下は銀行の利ざや圧迫要因になっている。

貸出残高の行方については、日銀が貸出を促す新たな枠組み導入を決定しており、詳細未定ながら今後の追い風になることが期待される。一方で、最近の国内景気後退感などに伴う企業マインド悪化が資金需要低迷に繋がりかねないだけに、まだまだ警戒が必要な情勢にある。

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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