2012年12月10日

欧州経済見通し-景気悪化による債務問題悪化の連鎖は断ち切れるか?-

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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  1. ユーロ圏では危機対策の進展で、ユーロ参加国政府の無秩序な破綻や金融システム危機への懸念は後退したが、経済の一層の落ち込みによる債務問題悪化リスクは残っている。
  2. ユーロ危機の原因となった域内不均衡は、主に高債務国の内需の萎縮、雇用の喪失と所得の減少で是正されており、南部と北部の情勢は連動しつつも乖離が大きい。2013年も南部では景気後退が続く一方、北部は景気後退の深刻化・長期化は回避しよう。
  3. ユーロ圏全体の成長率は12年の前年比マイナス0.4%に続き、13年は同0.1%のマイナス成長となろう。ECBの追加利下げは想定以上の景気下振れに対する選択肢となろう。
  4. 13~14日の首脳会議で統合深化の工程表の議論が大詰めを迎える。南欧支援の観点からも銀行同盟の早期実現とユーロ圏共通予算の議論の進展が期待される。
  5. イギリス経済も財政緊縮策とユーロ圏経済の停滞が影響し回復力は弱い。12年はゼロ成長、13年は前年比0.9%と予測する。



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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

(2012年12月10日「Weekly エコノミスト・レター」)

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