- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 上昇気流はいずこに~マーケット・カルテ11月号
10月の金融市場は全般的に見るとリスク回避優勢の色彩が強い状況になっている。先月決定された米国の量的緩和第3弾(QE3)は投資マインドにとってのプラス材料に違いないが、世界経済の減速というマイナス材料の影響が上回っているためとみられる。このため円は高止まり、日中関係の緊張という日本独自要因もあって債券が選好され、長期金利は再び低迷している。
そして11月もこの流れを引きずる可能性が高い。米国経済は堅調な指標が増えてきており、大統領選が終わることで不確定要素も一つ解消されるが、年末に控える財政の崖(増税+強制歳出削減)への懸念は依然拭えないほか、日本国内では景気後退懸念や企業の業績下方修正リスクが意識されやすいためだ。一方、スペインの支援要請といった欧州問題の進展や中国経済底打ちの兆しが見えれば、リスク回避が巻き戻されるというシナリオも考えられるが、その場合でも単独材料では力不足で効果は限定的に留まるだろう。
しかし、時間軸を半年後まで伸ばすと、市場のリスク回避度が緩和し、現状比でやや円安ドル高、金利高になっているという見方に変更は無い。欧州危機の緩和や中国経済の底入れ、財政の崖への政策対応が進むと考えられるためである。ただし、ユーロ為替については、現状は期待先行で高止まっているとみられるため、一旦は調整局面を迎え、半年後は現状比横ばい程度になるイメージだ。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月29日
晩年に関する不安~老後とその先の不安には「近居」が“程よい距離感” -
2024年03月29日
急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に -
2024年03月29日
身体活動基準2023~座位行動時間、筋トレに関する指針が追加 -
2024年03月29日
鉱工業生産24年2月-不正問題の影響で自動車生産が一段と落ち込む -
2024年03月29日
管理職志向が強いのはどんな女性か~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(6)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【上昇気流はいずこに~マーケット・カルテ11月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
上昇気流はいずこに~マーケット・カルテ11月号のレポート Topへ