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- 常設の金融安全網・欧州安定メカニズム(ESM)発足の意義-ユーロ危機対応における位置づけと今後の課題
■見出し
1――時限的な安全網から常設の安全網へ
2――ESMの発足で何が変わるか?-EFSFとの相違
3――今後の課題-ECBとともに危機の伝播を封じ込める役割が期待
■introduction
2012年10月8日、ユーロ参加国のための常設の金融安全網・欧州安定メカニズム(European Stability Mechanism、以下、ESM)が正式に発足した。
ユーロ参加国は、2010年12月にESMの創設で合意、11年7月に設立条約の調印が行われたが、同年12月に設立時期を2013年7月から1年前倒しを決めたことを受けて条約を修正、今年2月に改めて調印が行われた。各国の批准手続きの段階で、ドイツの連邦憲法裁判所のESMの合憲性に対する判断を待つ必要が生じたため、調印から正式発足までに8カ月もの時間を要したが、当初の想定よりは前倒しで発足、2013年6月を期限に創設された欧州金融安定メカニズム(以下、EFSM)と欧州金融安定ファシリティー(以下、EFSF)と9カ月の間、並存することになった(図表1)。
以下では、ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念に端を発するユーロ圏の金融安全網整備の流れの中でのESM発足の位置付けについて考えてみたい。
03-3512-1832
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
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