2012年10月30日

常設の金融安全網・欧州安定メカニズム(ESM)発足の意義-ユーロ危機対応における位置づけと今後の課題

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■見出し

1――時限的な安全網から常設の安全網へ
2――ESMの発足で何が変わるか?-EFSFとの相違
3――今後の課題-ECBとともに危機の伝播を封じ込める役割が期待

■introduction

2012年10月8日、ユーロ参加国のための常設の金融安全網・欧州安定メカニズム(European Stability Mechanism、以下、ESM)が正式に発足した。

ユーロ参加国は、2010年12月にESMの創設で合意、11年7月に設立条約の調印が行われたが、同年12月に設立時期を2013年7月から1年前倒しを決めたことを受けて条約を修正、今年2月に改めて調印が行われた。各国の批准手続きの段階で、ドイツの連邦憲法裁判所のESMの合憲性に対する判断を待つ必要が生じたため、調印から正式発足までに8カ月もの時間を要したが、当初の想定よりは前倒しで発足、2013年6月を期限に創設された欧州金融安定メカニズム(以下、EFSM)と欧州金融安定ファシリティー(以下、EFSF)と9カ月の間、並存することになった(図表1)。


ユーロ圏政府による金融安全網整備の流れ


以下では、ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念に端を発するユーロ圏の金融安全網整備の流れの中でのESM発足の位置付けについて考えてみたい。

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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