2012年10月22日

生保の利益指標を巡る最近の動向

荻原 邦男

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■見出し

1――はじめに
2――定着しつつも改善点が指摘される基礎利益指標
3――EV(エンベディッド・バリュー)指標に関する動向
4――グループ利益指標としてのEVの活用例

■introduction

IASB(国際会計基準審議会)は、今後の中期計画策定にあたり、国際会計基準に関し検討すべきテーマの選定を広く求めた。これに対し、ASBJ(企業会計基準委員会)は、「表示及び開示(当期純利益、その他の包括利益(OCI)に関連)」を重点項目のひとつとして提案している。これは、IASBの包括利益重視の方向性に対して、純利益、包括利益の位置づけを改めて問うという、古くて新しいテーマである。このように、「利益指標はいかにあるべきか」は未だ決着していない重要な課題である。
当レポートでは、(1)生保の利益指標の一つである「基礎利益」について、留意点を簡単に紹介する。続いて、(2)最近重視されつつある経済価値ベースの企業価値指標であるEV(Embedded Value)を取り上げ、金融危機の経験を経て、EUの大手会社が推奨していた市場整合的EVと呼ばれる手法が、見直さざるを得ない状況となった経緯を紹介する。おわりに、(3)EV指標の活用例のひとつとして、わが国の損保系保険グループによる「修正利益」指標を紹介したい。今後とも、経済価値ベース指標の活用が進むことになろう。

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研究・専門分野

(2012年10月22日「保険・年金フォーカス」)

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【生保の利益指標を巡る最近の動向】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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