2012年09月27日

サービス・グローバル企業のアジアにおける事業展開の研究(2):アジア小売市場における外資有力企業の競争優位

保険研究部 兼 経済研究部 主席研究員 アジア部長 General Manager for Asia   平賀 富一

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■見出し

はじめに
1――アジア主要小売市場における有力外資企業とその概況・特徴点
2――外資有力小売企業の戦略・企業行動の特徴点について
3――サービスの特性とそれを踏まえた外資小売企業の競争優位に関する理論面からの検証
4――おわりに

■introduction

製造業に続きサービス業においても、国際事業展開は我が国企業の大きな経営上の重点・課題となっている。そこでは、これまで巨大な国内市場を収益源とし成長を続けてきた多くの我が国サービス企業が、新興国市場の発展を取り込むとの意図や目的に照らして、いかに国際展開のあり方を考え、行動すべきかという基本的な課題認識がより重要になっている。
本稿では、外資小売業のアジア展開の事例(スーパー・コンビニ事業に焦点を当てる)を取り上げ、外資企業が成功するための競争優位は何かに関する私見を述べることにしたい 。
ここで小売業を取り巻く環境状況について考えると、製造業も含めた他業種同様アジアを中心とする新興国が重要市場としての位置づけを大いに高めていることが大きなポイントになっている。すなわち、アジア新興国の経済発展によって、より高額・高品質な消費財やサービス商品についての購買力を有する顧客たる中間層・富裕層が増加しており今後その数はさらに拡大すると見込まれている。


アジアの中間層の推移と見込み

各国で都市化や経済のサービス化が進む中、アジアの主要小売市場は、欧米日先進国の企業だけでなくアジア域内の有力企業も加え、いわばオリンピックのように各国の代表プレーヤーによる競争の場となっている。このような情勢に関して、早期に参入し規模を急拡大した欧米企業(ウォルマート(米)、カルフール(仏)、テスコ(英)など)が大きなプレゼンスを有するのに対して、日本企業の参入はより慎重で店舗展開のスピードや規模が小さいと指摘されることが多いが、近時、日本企業による積極的な取組み事例(イオン・イトーヨーカ堂・コンビニ各社、ファーストリテイリング(ユニクロ)、無印良品などが典型例と考えられる)が見られており、その様相は変わりつつあるといえる。また、中国で外資小売チェーンのトップ(中国企業を含む全体ランクでも5位)に躍り出た台湾の大潤発(RT-Mart)や、中国・インドネシア・ベトナムでの出店増が目立つ韓国のロッテマートなどアジア各国の有力小売企業による域内市場への進出の動きも活発化しておりその動きにも注目が必要であろう。

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保険研究部   兼 経済研究部 主席研究員 アジア部長 General Manager for Asia

平賀 富一 (ひらが とみかず)

研究・専門分野
国際経営・国際経済(アジア地域を主とする)・国際人的資源管理

(2012年09月27日「基礎研レポート」)

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