2012年09月19日

ユーロ危機対応の軌道修正とユーロ共同債の可能性

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■見出し

1――これまでの危機対応の問題点
2――高まる銀行同盟とユーロ共同債への期待
3――ユーロ共同債という選択肢
4――注目される統合の工程表

■introduction

ユーロ圏の情勢は一時期に比べると幾分落ち着いている。しかし、2009年秋にギリシャ政府の債務不履行懸念という形で危機が表面化してから、政策対応の進展による一時的な小康状態と緊張再燃というサイクルを繰り返してきただけに、何らかのきっかけで緊張が再び高まるとの不安は消えていない。
実際、現在は、ユーロ圏内では、北部を中心とするドイツなど債権国と南部を中心とする債務国の間で民間銀行を通じたクロスボーダーな資本移動が萎縮する深刻な分断が続き、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と欧州中央銀行(ECB)が辛うじて支えている状態で、非常時を脱していない。ユーロ危機の根本の問題である過剰債務の処理、域内における債権・債務の累積の原因となった競争力格差の是正、危機の克服と再発防止のためのユーロ制度の改革は、いずれも長い時間を必要とする。
それでも、今年6月27日~28日の欧州連合(EU)首脳会議(以下、6月首脳会議)以降、ユーロ危機対応の軌道修正が図られつつあり、拡大と深化一辺倒という危機の流れには歯止めが掛かる可能性が出てきた。




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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

(2012年09月19日「基礎研レター」)

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