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- フランスの生命保険市場-バンカシュランス発祥の地、フランスの市場構造-
■見出し
1――はじめに
2――金融危機、債務危機の中での業績動向
3――貯蓄、投資商品中心の市場構造
4――バンカシュランス発祥の国、フランスの生保販売チャネル
5――銀行グループが生保市場で大きなプレゼンス
6――さいごに
■introduction
花の都パリ、ルーブル美術館、日本人憧れの国のひとつであり続けるフランス。夫婦別姓の本場にして、近年は出生率が改善、大統領が事実婚の国。日本とはずいぶん状況が違うように見えるが、かの地の生保事情はどうであろうか。
フランスと生命保険のもっとも古いかかわりは、17世紀の中ごろ、ルイ14世の宰相マザランの側近であったナポリ人、ロレンツォ・トンチが、後にトンチン年金 と呼ばれることになる年金を考案したことにさかのぼると言われる。
しかし近代生保事業がフランスで開始されたのは、英国(1762年にエクイタブル設立)に遅れること四半世紀、1787年である。1786年に火災保険会社として設立されたロワイヤル保険が翌年に生保事業を開始し、翌1788年にロワイヤル生命とロワイヤル火災に分裂した。しかしロワイヤル生命は、その翌年(1789年)に勃発したフランス革命の中、保険は人間性の奉仕を金銭の奉仕にすりかえてしまうと批判され、廃止に追いこまれてしまった。今日につながる生保会社が現れるのは1810年代に入ってからである。
スイス再保険が先日発表した2011年の生命保険料の世界シェア では、フランスは6.65%のシェアを有する、米国(20.46%)、日本(19.97%)、英国(8.00%)に次ぐ世界第4位の国となっている。
フランスで生命保険を提供している会社は124社(2011年末現在)。うち103社がフランスで免許を受けた会社、残り21社がフランス以外のEU加盟国で免許を受けた会社の支店である。このほかEU他国の会社がサービス提供自由の原則の下、フランスに支店を持たず生命保険を提供している事例が2010年時点で234社ある。会社数は多いが、フランスでも上位グループへの集中が進んでいる。
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松岡 博司
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(2012年07月30日「保険・年金フォーカス」)
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