2012年07月02日

英国の生命保険市場-年金・投資商品中心の市場構造と金融危機、債務危機の影響-

松岡 博司

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■見出し

1――はじめに
2――金融危機、債務危機の中での業績動向
3――年金、投資商品中心の市場構造
4――さいごに

■introduction

エリザベス女王即位60周年の祝賀に沸き、ロンドンオリンピックの開幕まであと1ヶ月を切った英国。めでたい行事は多いが、昨今の英国生保業界は金融危機、債務危機の影響を受けた変調からの回復を目指して悪戦苦闘している。
英国は近代生命保険業発祥の地である。近代生命保険業は1762年、ロンドンにエクイタブルソサエティが設立され、年齢別の死亡率を基準とした保険料設定等を開始したことに端を発する。
スイス再保険が先日発表した2011年の生命保険料の世界シェアでは、英国は8.00%のシェアを有し、米国(20.46%)、日本(19.97%)に次ぐ世界第3位の地位を維持している。
英国で生命保険を提供している生命保険会社は309社ある。そのうち129社は英国で免許を受けた生保会社である。残り180社は英国以外のEU加盟国で免許を受け、EUのサービス提供自由のルールの下、英国において生命保険を提供している生保会社である。会社数は多いが、グループ化が進行しており、上位10グループが84%のシェアを有している(2010年)。
ちなみに英国では生命保険をロングタームインシュアランス(長期保険)という用語で表すことが多い。一方、損害保険はジェネラルインシュアランスと称される。

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松岡 博司

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