2012年06月19日

資金循環統計(12年1-3月期)~個人金融資産は前年比11兆円増の1513兆円

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・個人金融資産(12年3月末): 前期比でも14兆円増、時価上昇が大きく寄与
・フロー(時価変動を除いた流出入額)の基調: リスク回避姿勢は変わらず
・部門別資金過不足等: 11年度は政府の資金不足が拡大、企業の手元資金は最高更新

■introduction

2012年3月末の個人金融資産残高は、前年比11兆円増(0.7%増)の1513兆円となった。投資環境は厳しく、株安・円高等を背景とする時価減少が年間で8兆円(うち投資信託が5兆円、株式・出資金が2兆円)発生したが、フローの資金流入19兆円のプラス影響が上回った。年度ベースでは3年連続の増加となったが、ピークの06年度末(1575兆円)にはまだ及ばない。
四半期ベースでは、前期(11年10-12月)末比で14兆円の増加。例年1-3月期は一般的に賞与の支給月を含まないことからフローで流出超となる傾向があり、今回も6兆円の流出超となった。しかし年明け以降の株高・円安を背景とする時価の増加が20兆円に達し(うち株式・出資金が13兆円増、投資信託が5兆円増)、これを補った。今回の20兆円という時価増加幅はリーマン・ショック後の反発局面である09年4-6月期以来の規模となる(図表1~4)。
ただし、その後4月以降は再び市場が株安・円高に転じていることから、足元では3月末に対して時価の減少が発生しているとみられる。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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