2012年04月24日

「世界の工場」はどこに行くのか?―アジアで広がる国内格差

研究員   高山 武士

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■見出し

1――「世界の工場」から「消費市場」へ
2――地方が取り残される?
3――「世界の工場」と「消費市場」を両立させる

■introduction

中国やASEANなどのアジア新興国・地域は、人件費の安さを強みとして、世界の工場としての地位を築き、世界で売られているさまざまなモノの生産拠点となった。

しかし近年、高成長とそれに伴う所得の上昇によって「世界の工場」から「世界の消費市場」としての魅力を高めている。小売業などのサービス業もアジア新興国・地域への参入を増やしている。例えば、米国のコーヒーチェーンであるスターバックスは、アジア新興国・地域に1700を超える店舗を展開している(図表1)。同社は今年、インドにも第1号店を出店する予定で、着実にアジア新興国・地域への進出を拡大していると言える。
アジア新興国・地域は順調に消費市場として育っており、そこでモノ・サービスを売ろうと考える企業は多い。
このように所得が高まり消費市場が拡大して行くことは歓迎すべきことのように思える。しかし、今まで世界の工場としてアジア新興国・地域に生産拠点を持ち、人を雇っていた企業にとってはそうでもない。人件費の上昇が、悩みの種になっている。
所得が増え、消費市場としての魅力が拡大すると世界の工場としての魅力が低下してしまうというジレンマを抱えているのである。だからといって世界の工場としての魅力を保持するために、所得の上昇を抑制し、国が豊かになれないのであれば本末転倒である。
では、アジア新興国・地域の所得が高まるなか、世界の工場はどこに行くのだろうか。
アジア新興国・地域にとって、これは重要な問題である。




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高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
米国経済

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