2012年03月28日

高齢期の新たな就業へ向けて~「第三の働き方」拡充の必要性~

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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■見出し

1――高齢期の多様な就業をめざして
2――「第三の働き方」の主な選択肢
3――「第三の働き方」へ向けての高齢者の対応とソリューションの模索

■introduction

筆者は60歳以降の働き方を3区分して整理することを提唱してきた。(図表-1、詳しくは基礎研REPORT 2011年10月号を参照されたい)
3区分の発想の背景には、企業経営環境の悪化が続く中、再雇用後の多くの60歳代後半の高齢者が従来の企業に引続き雇用されることが難しい状況がある。その多くが70歳くらいまで働く意欲を持つ高齢者である。その潜在力をどのように活かしていけばよいのか、同時に高齢者自身にとっても生きがいを持って充実した高齢期を過ごすためには、どのような機会や場がありうるのか、という問題意識がこの3区分の原点となっている。
「第一の働き方」は企業や団体に雇用される働き方である。現行の高齢法(注)により事業主には65歳までの雇用確保措置が義務付けられており、(1)定年の定めの廃止、(2)定年の引上げ、(3)継続雇用制度(継続勤務制度や再雇用制度)の導入といった選択肢がある。多くの企業では再雇用制度により、一旦60歳定年で退職した高齢者を、即時再雇用(契約期間を毎年更新するケースと65歳までとするケースがある)し、その上限年齢を65歳に設定する道を選んでいる。なお近年、主として中小企業で継続雇用制度を延長適用したり、新たな制度により「70歳まで働ける」企業も増えており注目される。
(注)2004年改正、2006年4月施行の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)」では、労使協定に基づき再雇用の希望者を一定の条件で選べる例外規定がある(最終改正は2011年6月)。
「第二の働き方」は自営という働き方である。この働き方は特に60歳以降ということではなく、基本的にエイジフリーである。自身で個人事業主として働いたり、各種法人を複数人で起業・開業して事業を拡大する働き方をイメージしている。事業が拡大すれば、新たな雇用を創出する基盤として期待されるため、融資を含めた様々な支援策も今以上に必要であろう。高齢者の持つ能力を直接社会に還元する道として期待されるところである。
「第三の働き方」とは、主に「第一の働き方」を終えた働く意欲の高い60歳代後半の高齢者が、その後、新たな就業や就労等を行う働き方をイメージしている。ここでは、高齢期を迎えた人の経済的目的だけでなく、より生きがいや健康維持、社会貢献を目的とした働き方をも包含することが特徴である。今後、ボリュームゾーンの「団塊の世代」が65歳に続々と到達することから、退職、離職後に、引続き就業や就労をしたい、またはボランティアなど何らかの社会的活動をしたいと考える人の受け皿として、「第三の働き方」を今以上に拡大し充実させることが長期的に必要となる。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

(2012年03月28日「ジェロントロジージャーナル」)

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